2016/07/03
2014/08/23

ライトノベル小説/

        

再生の女神(女神大陸4話)

category - 女神大陸(小説)
2016/ 07/ 10
                 
次の日の朝。ペイン・カスタネットさんとPちゃんさんに別れを告げて。ネオ・チョモイヤシティの手前、2キロメートルの高台のところに来ている。ユミたちは徒歩だ。
サダコさんが隣で道端で買ったカニ焼きを食べている。

もぐもぐもぐ

「ユミさん」
「ラムラさんは怪しいと思いませんか?」

「しい!」

この世界の住人、同級生のラムラ・ラグさんは前方8メートルのところで、双眼鏡で眼下に広がるネオ・チョモイヤシティを見渡している。何かを探しているみたいね。

「ラムラさんは何かを隠していますよ」
「ユミにはわかります」
「ユミたちに鍵穴に合うカギを作らせる気です」

「ななな」
「ユミさん、何でそんなことが解るんですか?」

「わかりません」
「ただなんとなく解るのですよ」

「あなたたち」」
「なにをおとぼけギャグかましているんですか」

いつの間にかユミと子ザルさんの枕元に立っている。ラムラ・ラグさんは顔が赤い。発情期のメス猿ですか?
右手にチャカという迷惑道具博物館で興味がわいた、人に迷惑をかけるための道具を持っています。

「ラムラさん」
「その手に持っている迷惑道具でユミを激殺する気ですね」
「ユミにはわかります」
「ユミを殺した後、処女の人肉として高値で取引する気でいますね」

「あははは!」
「自分で純潔を自慢するくらい元気なら心配いりませんね」
「そうです」
「ユミ・トルネード、サダコ・ハミングはこの世界のカギになります」
「新しい次元の扉を開けるためのね」

「にゃにゃんと!」
「鍵の職人になって学園を辞めさせられるのですね」
「ユミにはお嫁さんになるという夢がありんすが・・・」

「大丈夫」
「素敵な殿方と結ばれますよ」
「サダコさんもね」

「キャー!」
「サダコはまだ恋をしたことがありません」

「ユミは既に男性の赤ちゃんを身ごもっているのですよ」

「ユミさん」
「冗談はほどほどに」

「嘘じゃありませんよ」
「昨日の夜に、ペインさんと眼が合ってしまいましたよ」
「ユミは汚されたのです」

「あはははは!」

「ユミさん」
「目でSEXする宇宙人ですか?」

「サダコもペインさんの眼を見ました」
「胸の奥がじんじん来ました」

「うふふふ」
「素敵な話はあとでゆっくり聞いてあげるから」
「まずはひと仕事してもらいましょうか」
「さあ!」
「あのバスに乗り込め!」

ブロロロロ

ちょうどタイミングよくローカロバスが停車した。ここはバス停なのか。にしても時計も見ずに何でラムラさんはバスの到着時刻を知っているんでしょうか?

「ユミさん」
「これは能力じゃありませんよ」
「目視です」

うーん。ラムラさんはユミの心を読んでいるようです。これじゃうかつに卑猥な妄想が出来ないでやんす。あんなことやこんなことが・・・

バスはネオ・チョモイヤシティ行きのバスで。途中のバス停で何度かお客さまを乗せた後、無事に終点のネオ・チョモイヤ駅前に着いた。

バスウウゥ

ネオ・チョモイヤシティ駅前に居る。ビルがいくつも立っている。
ユミの見たこともない近代的な世界が広がっている。えと、確かラムラさんの説明では、ユミのいた世界とは違う次元の宇宙だと言っていましたね。ここは惑星チーズだとかなんとか。
周りの大人たちがこっちをじろじろ見ています。

「うーんと」
「あ!」
「あっちかな」

ラムラさんは観光ガイド地図を片手に観光する気ですか。

「違いますよ」

「ユミさん」
「ラムラさんは心を読んでいますよ」
「サダコが昨日から下着を変えていないことも知ってます」

「しい!」

「想像すりゃ分かる内容ですね」

目の前を歩くブレザーを着たラムラさんの後について、ユミとサダコさんも歩く。ユミも昨日からパンツとブラジャー変えてないよ。
一週間くらい持つよね?

「ユミさん」
「心配しなくとも、衣食住の保証はします」
「もう着きましたよ」

雑居ビルの三階まで来ましたが、彼女が入り口のチャイムを押していますね。サダコさんもラムラさんも黒髪です。サダコさんはおかっぱ。ラムラさんはユミと同じセミロングです。サダコさんは背が低くて鼻ペチャでおサルさんみたいな顔。ラムラさんは背が高くて鼻が高くて美人です。ユミも負けてはいませんが・・・

「はーい、どうぞお入りください」

ガチャ

「来ましたよ」
「英雄の到着です」

「おお!」
「世界を変える時代が来ましたね」

「この男性はインク・サプライさん」
「向こうの人はリンネ・ラグ。私の妹です」
「まだミドルハイスクールなんですよ」

「初めまして」
「サプライです」
「あなた達のサポートをします」
「兵器の弱点を教えてあげますよ」

「こんち」
「あたいがリンネじゃ」
「ラムラ姉ちゃんに話を聞いて会うのを楽しみにしていたのじゃ」

「この子」
「喋り方が独特だけど、理解できる範囲だから」

「ははは、はじめまして!」
「サダコ・ハミングと申しますですう!」

「ユミです」
「フルネームでユミです」

「はい、ユミ・トルネードさん」

「へいきって何ですか?」

「そうだねえ」
「殺傷能力のある道具のことかな」

「ああ」
「迷惑道具のことですか」

「はい」
「銃には決まった数の弾しか入らなくて、再装填と言う無防備になる時間が産まれます」
「ユミさん」
「この世界を破壊から救ってください」
「あなたたちが最後の希望です」

「ええ!?」
「ユミはおとといの宿題もまだ済ませていないんです!」

「あはははは!」
「ユミさん、やる気満々ですね?」

いつの間にかサダコさんがピコピコ何かをしていますが。部屋は結構狭くて蒸し暑い。白い部屋に灰色の椅子と机が並んで。窓のブラインド越しに、隣のビル建設工事が見える。カンカンやかましい。
扇風機が回っているが、気休めにしかなっていない。クーラーという文明の利器がないみたい。サダコさんがリンネさんと仲良くなった。ゲームという遊びを教えてもらっている。

「来たか」

「来ましたね」

「え」
「ラーメン屋が来たの?」
「ユミはカレーが食べたい気分ですが」

ビルの窓から見える光景は初めて見るものだった。激しい音とともに軍隊という迷惑集団が戦争という殺人合戦を始めた。
飛行機と呼ばれる鳥さんが、爆弾を落としてゆく。
周りのビルが爆音とともに崩れてゆく。かなり揺れる振動。ここも安全ではないらしい。

「逃げるぞ!」
「みんなついてこい!」

インク・サプライさんの後についてビルを出てゆこうとする。
サプライさんは三十代くらいのやせ形で、カチッとした七三分けでスーツを着用している。彼の靴音がやかましい。ユミのローファーの音もやかましですが・・・みんな同じか。
昨日から着っぱなしのユミの制服のブレザーはもう汗臭いです。
いたるところで銃撃音がするんですが。
あれ?なんで銃撃音なんて言葉を知ってるんだろ?

「ユミさんは進化してるんですよ」

走る最中にラムラさんが前から語り掛ける。振り向かずに。

「サダコさんもね」

サダコさんはユミの後ろで無言だ、きっと怖いのだろう。ユミも怖くて泣きたい気分。

「しまった!」

行き止まりのところに来てしまった、目の前に壁がある。彼は壁をよじ登りだした。無理だ、高すぎる。無事では済まない。

ドッカー―ン!!!

バラバラバラ

激しい爆音と衝撃波とともに壁が崩れた。彼はどこへ?
左手で顔をかばうと、戦車のキャタピラの音が聞こえる。え?キャタタピラとか戦車とか。何で知ってるわけ?

大通りが目の前に展開する。周りにビル群。メインストリートのようだ。相手側の軍隊が進撃してきている。こちらの都市を防衛する軍ではもたないらしい。
あちこちで死体が転がっている。民間人と軍人。血がアスファルトに染み込んで黒くなっている。

「ユミさん!サダコさん!」
「ラムラたちを守って!!」

軍隊がこちらに発砲してきた。銃弾の雨が来る!
ラムラさんたち現地人は頭を両手でかばい前かがみになる。
ユミとサダコさんは無意識に前に出て両手を広げた。
パーンとはじける音がして、二人の周りに透明な紫色の半円形の球体が出来る。キューン!と言う不思議な音とともに光が発生する。
あれ?
ユミたちは死んでいない。弾丸を浴びたはずなのに無傷だ。
砂埃と煙で隠されていたが、やがてあらわになる。

「異端者だ!!」
「化け物だ!」
「早く殺せ!」

撃ってきた人たちの憎悪が見える。激しい怨念が。

ドン!!

戦車の榴弾が放たれた。戦車は三両。
足元のアスファルトが砕け散るが、またユミたちは半円球体に守られる。これはなんですか?
怖くてたまらない。これが迷惑合戦・・・

「これは夢なのですか?」

あれ?隣を見るとサダコさんのブレザーとスカートが破れている。下着が見えているです。

「子ザルさん子ザルさん」
「婦女子が下着を見せてはいけません」
「お嫁にいけませんよ?」

「ひっどいでうぅ!」
「サダコは子ザルじゃありません!!」

プンスカプンスカ!

サダコさんは怒りながら銃弾の雨の中をゆっくり前進してゆく。
ユミも後についてゆく。さっきから迷惑攻撃を球体がはじいて防いでくれている。

サダコさんが一人の兵士に近づき。何かをしようとする。

「ひい!」

兵士が怯えてしりもちをついた。

ひょい

サダコさんが兵士から自動小銃を取り上げる。ユミは黙ってみている。これから何をするのか解る。

メキメキメキ!!

銃を手の力で捻じ曲げた!サダコさんがバカぢからではないのはユミは知っている。よし!ユミも後に続こう。
二人で片っ端から銃を取り上げていく。目の前で目に向かって発砲されてもびくともしない。光で眼がくらむけど。もう恐怖に慣れてきた。
でも・・・制服が破れているような気が。何でですの?
ある兵士がナイフを取り出してお腹に突き刺してくる!

キン!

金属音とともにナイフが折れた。

「ば、化けもんだあ!!」
「悪魔だあ!」
「退却しろ!」

胸がドキドキする!これがスリルと興奮と言うものですねきっと。
戦車が徹甲弾に切り替えて目の前で発射したが、目の前でキーン!と言う金属音とともに弾かれる。激しい衝撃波が出来る。風が舞い、黒髪が乱れる。
ラムラさん、制服が破れちゃったよ。お肌が丸見えで下着もあらわになってしまいました。
思念でラムラさんに伝える。

「・・・・!!」

ラムラ・ラグさんが破れていない制服を着ながら何かを叫んでいますが、聴こえません。

軍隊は一人も死なずにけが人も出ずに逃げていったです。
死んでしまった死体さんは生き返らせることは出来ないのですね。
これは奇跡ではないのですか?

少ししてあたりが静まり返ってから、廃墟の中でラムラさんが言う。

「ええ」
「あなたたちは奇跡をおこす為にこの世界へ導かれたのです」
「異世界の住人だからできる技です」

「この世界を大崩壊から救うためにですよ」

ラムラさんの隣でインク・サプライさんが言う。無事だったようだ。

「死んでしまった魂は蘇らないぞ」
「時間を戻すことは出来ないからの~」

その後ろでリンネ・ラグさんが言う。
この旅って面白いです!ユミたちが英雄!?

「は!」
「鳥さんが居ない!」
「どっかへ落っことしてきたです!」

落日しないように、頭の上にざると一緒に乗せて飼っていた、鳥さんが・・・

「ユミさん」
「ほっぺたに血がついていますよ」

「あ」

サダコさんがユミの頬をペロってなめる。
サダコさんに同性愛の趣味があったなんて!!

「あはははは!!」
「ユミさん、それは違いますよ」

サプライさんが恥ずかしそうに顔を背けた。

「あ」

恥ずかしいですよ!!
ユミたち、制服がボロボロになってほとんど下着です。
これからユミたちどうなるんだろう?
不安がおムネをよぎるのですが・・・
                         
                                  
        

涙の海を完泳せよ3

category - ショート小説
2016/ 07/ 03
                 
今日学校帰りに歩道の石を蹴った。

彼女はふてくされた顔で屋台のたい焼きを買ってきた。

セーラー服を脱ぎ散らかして、携帯電話を放り投げる。

学校でつまらないことがあったから。

ほんの些細なことで同級生と言い争いになった。

本当につまらない原因。

スウェットスーツに着替えてからベッドに突っ伏す。

ボム

グスグス泣きながら熱いたい焼きを食べる。

あんこが少ないなとか思いながら、彼女は明日の身体測定を気にする。

弟のタイゾウが不登校でひきこもりだから、親がいつも怒っている。

変に優しくして甘やかしてはいけないと言う親。

彼女は知っている。

誰もが寝静まった深夜2時、タイゾウが一人で出かける。

最近毎日だ。

ある日気になって彼を尾行した。

暗い夜道で彼女は何回かコケたが、彼は夜目が良い様だ。

町外れの小高い丘を駆け上ると階段の先に、広い展望台がある。

いきなり現れた彼越しの満天の夜空に、心がときめいてしまった。

「うわあ・・・」

「おねーちゃん!」

タイゾウが驚いて振り向く。

彼は寝巻きのままここに来ているようだ。

周りに高い建物がないから夜空が天の川一色だ。

学校の理科の教科書で見たような星の地図が目の前に広がる。

彼女はコンクリの踊り場で黙って踊りだした。星がお客に思えた。

「おねーちゃん」

何も会話はなかったが、何も問題は起きなかった。

一時間ほど二人並んで天の川を眺めてから言う。

「綺麗だねタイゾウ」

「うん」


それから毎日の会話は無い。

でも知っているから。弟が人生を諦めてはいないことを。

朝が来るまでの瑠璃色の空、ベッドで天井を見つめる。

明日はあの娘にどんな顔で会えば良いんだろう。

ごめんと一言が言えない。

たった一言が言えないだけでこんなに困るのに。

あれからいつも天の川銀河を思い出す。

夜はいつも静かだ、ここらへんはへき地だから。

誰かといっしょがいいな。ひとりぼっちはさみしいから。


弟はいつも一人で泣いているのに、親に何も文句を言わない。

「星に話しかけるのかな」

ほかの同級生の娘と話したこと。

遠足でフェリーに乗ったとき。

「ねえみっちょん」「あの水しぶきは生きてるのよね」

「ええ?」「確かに生きてるように見えるよねえ」「あははは」

なんで記憶はあるのかな。

なんで都合よく消えたり覚えたり出来ないんだろ。

「・・・・」

がば

またあの展望台へ行きたくなった。

今度はコケずに来られたが、タイゾウは居なかった。

時間が違うのだろう。

「うわあ」

今日も快晴の満天夜空だ。


「ふんふんふん♪」

誰かに見られてたらなんて踊る理由には成らないよ。

今夜は私も寝巻きだ。ひきこもりってイカス・・・

朝までこうしていたいな。何も考えずに。


「星のお客さんは何億人?」


明日の朝が来たら、また学校であの娘に「おはよう!」て言おう。

いつもの笑顔で。

命の燃焼効率
命の燃焼効率
                         
                                  
        

砂丘の決死訓練(平和完遂軍2話)

category - 平和完遂軍 / ピンフエージェント
2015/ 09/ 20
                 
「あ、海だあ!」
「ねねね、ジグモ指令」
「海が見えてきましたよ!」

「にしてもローカル線に乗って自国の海岸線まで遠足なんて」
「わが日ノ下軍は何を考えているんでしょう」
「ゴンドウ中尉殿」
「さっきからパンツが見えていますが」
「自軍へのサービスですか?」

「アキバぁ!このドスケベ!」

ボク!

「キュウ・・・」

「あっははは」
「ゴタンダさん」
「今朝作ったお弁当をどうぞ」
「はい、あ~ん」

パク

「もぐもぐ、ぐちぐち」

「うん、美味しいですね」
「さすが、マテルカ大尉は良きお嫁さんになれますな」

「あははははは」

ピィイ

ガタンガタンガタタン


「ちょっとなにあの人達」

ヒソヒソヒソ

「軍服来てるからコスプレマニアかと思ったら」
「巷でうわさされてる、戦争をしない軍隊よきっと」

「まあ怖い!」
「無駄な税金をせしめてる」
「無能な平和主義者ね」

「ちょっとあんたたち」
「善良な民間人だからって言って良い事と悪い事があるのよ!」

「まあまあ」
「ゴンドウ中尉殿」
「喧嘩はよしましょう」
「楽しい訓練が台無しになってしまいますよ」
「お肌の曲がり角にはまだ早いのでは?」

「あほかお前はあ!」

ボキ!

「ぐてん!」

「あ~あ」
「アキバ少尉が床で寝ちゃいましたよ」
「サスガ一等兵」
「アキバさんを起こしてあげて」

「了解でござる、マテルカ大尉殿」

ガタンガタタン



ザザザザアン!


「うわあ!」
「海はでっけえなあ!」
「ジグモ指令、ずっと無言ですが何かしたんですか?」

「いやなに」
「訓練の予定を考えていたのですが」
「それにしてもゴンドウ中尉」
「いつの間に水着に着替えたのですか」

「あらら」
「最初から軍服の下に着て来たのよ」

「う~ん」
「更衣室で海パンに着替えなければ」


「どうでござるかアキバ少尉殿」
「女性隊員二名のボディ評価は?」

「う~ん」
「スタイルの均整から言えばマテルカ大尉ですが」
「ムチムチのいやらしさではゴンドウ中尉が使えますな」
「エヘエヘエへ」

「うわ~!」
「なんだアキバ!そのいやらしい目つきは!」
「こら~!」
「海パンを脱ぐなあ!!」
「きゃ~!!」

ザクザクザクザク

「ザクザクしてますな」

「暑苦しいですね」


「は~い」
「みなさん集まってください」
「午後の自由時間の前に」
「砂浜で実戦訓練を行います」
「各自武器は携帯していますね?」

「あのうマテルカ大尉殿」
「近所の駄菓子屋で買ったこのギン玉鉄砲が銃火器ですか?」

「はいそうです」
「充分な殺傷能力がある最新兵器です」

「なんだかなあ」

「訓練はですね」
「だるまさんがコロンだ作戦!」

「がく!」

ザザザザアン!

「カンケリとだるまさんがコロンだと銃撃戦を組み合わせた」
「複合型ミッションです」

「あのうマテルカ大尉殿」
「我々がこんなアホなことをしているうちに」
「南方の自国領土は敵軍の脅威にさらされているんですよ?」

「ゴタンダさん」
「そんなこと言っても私たち99軍は戦争をしてはいけない軍規ですよ」

「ゴンドウ中尉殿!」
「胸の谷間を見せながらそんな現実を語るのは辞めて下さい」
「ムラムラしてきます!!」

「うわあ~!」
「アキバぁ!海パンを脱ぐなあ!!」

ザクザクザクザク

「いいですかあ」
「まず私が鬼になりますから」
「各自カンケリとだるまさんがコロンだと射撃訓練を遂行して下さい」

「はい!」
「発言してよろしいでしょうか?」

「はい」
「ゴタンダさん」
「発言を許可します」

「この訓練はどう見ても子供の遊びに感じますが」
「実戦がこんな子供だましだとおっしゃるのですか?」

「!!」

「ゴタンダさん」
「この作戦内容は軍事機密扱いの特Aに指定されています」
「よく考えてから発言するように」

「ひいい!」
「こめかみにギン玉鉄砲をくっつけるのを辞めて下さい」


1時間経過・・・

「だるまさんがコロンだ!」

がば!

「きゃ~!!」
「後ろから抱き着いたのは誰だあ!」

「ゴンドウ中尉殿!」
「殺りく兵器など廃棄して自分と愛を語り合いましょう!」

「おっぱいをもみながら言うセリフかあ!!」


「マテルカ大尉殿」
「ギン玉鉄砲では射程距離が短すぎて上に向けて撃っても当たらんでござる」

「サスガさん」
「わが99軍には実際の兵器を運用してはならないと言う軍規約があります」

「それはわが99軍が平和を実行せよとの軍規でござるか?」

キン!

「きゅうう」

「見たかアキバ!」
「カンケリではなくて金けりの訓練だ!」
「即応性に優れているだろう」

「え~」
「皆さん、訓練を終了して自由時間になります」
「あと2時間ほどしたら帰りますから」
「あそこの海の家に集合して下さい」


2時間経過・・・

ガタタンガタタン


「あ~」
「楽しかったですね、マテルカ大尉殿」

「ええ」
「過酷な訓練だったけど、皆よく消化してくれました」
「カツアゲ駐屯地に帰ってもこの実戦訓練の成果を忘れない様に」

「なんか遊んでただけのよ~な気がしますが」

「ふっ」
「お子ちゃまねアキバ少尉は」
「私はもう実戦の感をつかんだわ!」

「ゴンドウ中尉殿」
「パンツを見せながら言うセリフではありませんな」

「このセクハラ軍属があ!!」

ボクウ!
                         
                                  
        

人間水族館

category - ショート小説
2015/ 09/ 20
                 
「ねえねえお母さん」
「あの人間の親子が今日も来てるよ?」

「あら本当」
「入館料は安いけど」
「きっと仕事がなくて暇なのね」

「お母さん、仕事って何?」

「エサを食べるために汗を流すことよ」
「カネ、て言うガラクタを貰うの」

「ふ~ん」

「ほらほら、あたし達を指さして何か言ってるわよ?」
「きっと、あたしたちのウロコに見とれてるのね」

「そ~かなあ、僕は、あいつウマそう!て言ってると思うよ?」

「ボク、そんなことよりも。おババ様が呼んでいたわよ」

「え、あの人まだ生きてるの?」

「何言ってるのこの子は」
「あの方は死ぬことはありません」
「苦しみ、血を流すことを喜んで受け入れる方ですから」

「はい」


・・・・・・・・・


「お久しぶりです、ババ様」

「おお、サンテ」
「あなたですか」

「僕をお呼びですか?」

「ええ、今がいい時期です」
「まだ若いあなたに、大切なことを教えねばなりません」

「はい」

「・・・・サンテは、この我ら魚を見せ物にする人間が」
「なぜ縛られた動物なのかを、知っていますか?」

「う~ん、僕は知りません」
「人間は縛れているんですか?」

「ええ、がんじがらめにされています」

「僕には見えません」

「ええ、だから彼らにも見えないのです」

「何でなの?」

「人間は太古の季節より」
「少しだけ他の動物よりも、脳が開放されていました」
「だから、道具というガラクタを使って」
「この、地上を支配したのです」
「すべての生き物を食います」

「はい、僕も知っています」
「人間は、生き物で快感を作るそうです」

「よく勉強していますね、サンテ」
「サンテは知っていますか?」
「人間は、敵意で同じ仲間を殺します」

「え、そ~なの?」
「みんなニコニコしてるよ?」

「ここに来る人間はそうですが」
「本当は・・・腹、と言う顔があるのです」

「お腹にも顔がついてるの?」

「それが人間が縛られている理由のひとつです」
「快感という欲望を覚えた人間は」
「気持ち良いのが辞められなくなり、罪を繰り返し」
「罪を重ねて、その重さに気がつくことも出来なくなりました」

「へえ、じゃあ僕たちは人間のために死ぬの?」

「サンテは見ぬくことが出来るのですね」
「私達生物は、人間のために。そして人間とともに死にます」
「その心は何だと想いますか」

「わかりません」

「愛、と言う本能です」

「アイ?」

「食って寝て犯す」
「本能はこの他に」
「愛する、と言う生きるよりも死ぬよりも大切なものがあります」

「へえ・・・よくわかりません」

「ええ、サンテは知らなくて当然です」
「人間だって知らないのが普通ですから」

「あ、でも人間が縛られてるのが何となく判ります」
「人間のいやらしい顔が僕の脳の中で見えます」

「・・・・すみません。サンテ」
「少し疲れました」

「はい、おやすみなさい。ババ様」



「あ、ボク。どうだった?おババ様のお話は」

「うん。人間でも知らないことを教えてくれたよ?」
「人間は縛られている、悲しい生き物だったんだね」

「・・・まあ、ボクも成長できたのね」
「じゃあ今日はお祝いに、貯めておいたミミズをあげますよ?」

「わ~い!」
                         
                                  
        

女神舞曲(女神大陸3話)

category - 女神大陸(小説)
2015/ 08/ 23
                 
「Pちゃん」
「おなかすいたよ~」

「ゼゼコがあと少ししかないの」
「仕事の求人広告があるよ」

「う~ん」
「今この土地は不景気だからなあ」

「今日は雲が晴れてて星がきれいに見えるね」

「え?」
「星なんて見えないよ」
「光化学スモック警報が出てる区域なのに」
「なんでPちゃんは見えるの?」

「えへへ」
「目視カメラで望遠してるし」
「人工衛星の宇宙望遠鏡で見てるの」

「がっくし」
「おなかすいてるんですけど」

「115ゼゼコあげるから」
「近所にある四六時中スーパーでアイスでも買ってきなよ」

「この寒い夜中に食べるんですか!」

「!」
「流星だ」
「ペイン、人体がほかの世界から来るよ」
「防御態勢を取ったほうがよいよ」

「え?」
「軍隊なの?」

「ちがう」
「なんか面白いことが起きる予感がするわ」

「えええ?」

「ほらあの星と星の間を観てみな」

「だから星なんて見えないって!」

「エンジンかけて!」
「あっちへ落ちて来るよ」

「Pちゃん、おなかがすいてるんだってばあ」

キュルルル

グアン!

ドドドドドド!




皆さまこんばんわ。
私はユミです。
さっき学校の遠足中に同級生のラムラさんをいじめたら。
異次元へ飛ばされてしまいましたの。
子ザルさん、いえいえ同級生のサダコさんもおまけに。
あ、ユミの頭頂部に海鳥さんが住んでいます。
大けがをさせてしまったので包帯でぐるぐる巻き、ざるに載せてます。
にしてもここはどこ?
私はユミですがここはユミが居た惑星なのでしょうか?
なんか見たこともない町が眼下に見えます。夜ですね。
と、言うことは。

「そ~ですよ、ユミさん」
「私たちはいま天空に居ます」
「落下しているんですよ」
「あはははは!」

「ななな」
「ラムラさん!」
「なにゆえに私たちは目を開眼して息が出来るのですか!」

「サダコおなかがすきました」
「売店のアンパン食べたかったです」
「優等生のふりはつらいよ・・・」

こんな激速で地上に激突すれば。
地表に巨大なクレーターが出来るですよ。
て言うかこの地は大爆発で死滅するのでは?

「あははは」
「ユミさん」
「なぜに私たちが無傷で死なないか知りますか?」

「ななな」
「私たちが歓迎されないとはこの事ですかあ!」

「うふふふ」
「違いますよ」

地面が迫ってきた。

「ユミはまだ死にたくないのですよお!」

「サダコもまだ死にたくないです!」

あれ?
草っぱらの草原に自動車が居る。
屋根がないや、人間が乗ってるけど。この人たち死ぬのかな。

「ユミは殺人犯として追われる身なのですね」



「ぴぴぴ」
「Pちゃん!」
「空からブレザーとスカートが三着降ってきたよ!」
「パンツ丸見えだし」

「パンツならPちゃんのいくらでも見せてあげるよ」
「ペイン、あの看板の横で止めて」
「この暗闇でよくパンツが見えるわね」
「ペインはHパワーで見てるのねえ」

「なんかものすごい爆音と地響きがしてるけど」
「俺たち死ぬのかな」

「まさか」

キィ

ザザザ


「来るよ」

ズドドオオオオオ!!

着床の瞬間、ユミは思わず目を閉じてしまったの。

「あ、あれ?」

そんなワキャな!?
何の衝撃もないし、無傷で無事に草の上で寝転んでいる私。
スカートが汚れちゃったよ。

「あれれれ」
「ユミさん、サダコはユミさんと一緒に天国へ召されたのですね」

「あっははは!」
「お二人とも、ようこそこの生き地獄へ!」

「ななな」
「夢みたいな体験て地獄の体験なのですか!」

「まあ天国と地獄ですね」
「ユミさん」
「この世にも天国と地獄があります」
「物質のね」


車から降りてきた二人の人影は、ユミたちを見下ろす。

ザクザクザク

「Pちゃん」
「この人たちチーズ星人なの?」

「う~ん」
「Pちゃんにもわかんねけど、女学生のガキだわね」
「言語は通じるみたいだね」

ドドドドルドル


「初めまして」
「空からやってきて言うのもなんですが」
「食料恵んでくださいません?」
「私はラムラ・ラグ」
「この世界の住人です」

「私はユミですよ」
「チーズ星人ですが、なんかほかの時代から来たみたい」

「あたしはサダコ・ハミングです」
「ところであなたたちは武力弾圧者ですか?」

「う~ん」
「なんだか異星人みたいな登場して驚いてますが」
「俺たちは軍隊を逃げ出した逃亡中の身です」
「俺はペイン・カスタネット」
「この子は」

「Pちゃんだよ~ん」
「対有人戦闘用擬人・LPなの」

「は?」

「Pちゃんは戦闘ロボットなんだよ」
「でも」

「Pちゃん暴力嫌い」

このボサボサ頭の若い男と、おかっぱ頭の女の子。
食べ物恵んでくださるのかしら。
ユミはお昼ご飯のお弁当がおにぎり二個だったから・・・

キュゥゥ

「ごめんね」
「俺たちも食料持ってないんだ」
「Pちゃんが何か買ってきてくれるから」
「車に乗ってよ」

「げ!」

車に乗り込み5人で近所にあるお店へ買い出し。
ペインさんが運転してPさんが助手席。
後部座席に私たち腐女子三人組が着席。
でも何だか夜の街は殺気立っています。
めいわく道具を持参している。
いたるところにバリケードと言う変なものがあるです。

「あのお」
「ペインさん」
「道路に殺気を放ってる人が居るのですけど」

「ああ」
「軍が野営してるんだよ」
「武器を持ってるから変な目で見ちゃだめだよ」

「ひいい!」
「サダコはいい子ですう!」

「あはははは!」

「子ザルさんは泣く子も黙る不良女子ですの」

「ひっどいですう!」
「サダコは子ザルじゃないし不良でもないですう!」
「プンスカプンスカ!」

「わははは!」
「Pちゃんのほうが怖いと思うぞ」
「大量殺戮兵器だからな」

「Pちゃん暴力嫌いだよ」
「ペイン、あの角を右へ曲がって」

「着いたよ」

「Pちゃん食べなくても平気だから」
「4人分買ってくるね」

バタン



近くの空き地でテントを張って車とテントで寝るのです。

「ユミさん、摩訶不思議な味がしました」
「サダコのマル秘日記に綴るです」

「子ザルさん、言ったらマル秘にならないのです」

「ひっどいですう!」
「サダコは」

もがもがもが!

「しい!」
「誰か来る」
「Pちゃん調べてくれ」

「はい」

ブゥゥゥン

「・・・・・」

Pさんの眼が赤くなった。
やはりこの女子は人ではないみたいですね。

「・・・・」
「徒歩の兵士が二名」
「斥候ではありません、休憩のため歩いています」
「武装している、危険です」
「・・・タバコを吸っている」

「タバコってあのいにしえのぜいたく品の事?」

「いにしえのって、君たちはどこから来たんだい」

「危険は回避されました」

ピッピッピッ

「さあ!」
「みんなおねむの時間なのにゃ!」
「眠くなる光線を食らうのにゃあ!」
「びびび~!」

「あはははは!」

「なんだか眠くなってきたです」

「サダコも眠くなってきた」

「なんて恐ろしい兵器だPちゃん!」



数時間してみんな静かになった。寝てるのかな。
ユミは寝てるふりだわさ。


ピロリン

「はい、ラムラです」
「お客人は無事に連れてきました」
「分かっていますよ」
「ええ、この二人にかかっていますから」

「・・・・・」

ユミは聞いてしまいましたよ。
ラムラ・ラグさんは何かを企んでいるようです・・・
鳥さんがおとなしく頭頂部で寝ています。

                         
                                  
        

ラムラ・ラグ(女神大陸2話)

category - 女神大陸(小説)
2015/ 08/ 22
                 
「普段家庭では、ご飯を製造する為に包丁を使います」
「誤って包丁で指を切る時がありますね」
「何が出ますか?」

「はい!」
「涙が出ます!」

「あはははは」

「ユミさん」
「それはひねり過ぎです」
「簡単に答えて下さい」

「体液が出ます」

「う~ん・・・」
「簡単過ぎます」
「ひねるのを辞めて下さい」

「先生、ギャグ・コミュはいいから先へ進んで下さい」

「あ、そうですね」
「ハミングさん、後ろでアンパン食べてる人達に」
「館内では飲み食いは厳禁と教えてやって下さい」

「はい!」

「それでは、次のブロックへ行きましょう」
「ユミさん、いくら見てもそれは動きませんよ?」

「先生さま、このチャカと言う道具は・・・」

「プラカードの説明文では足りませんか?」
「これも人に迷惑をかける為の道具です」
「火薬と言う、火の力を利用して」
「タマと言う金属を激速で人体に差します」
「人体は柔らかいですから、簡単に死ぬことが出来ます」

「先生さま、もっと簡単に言ってください」

「ユミさん、ずっと気に成ってしかたがないのですが」
「その頭の上に乗っている白い物体は何ですか?」

「トルネードさん、それ動いてるわよ?」
「生きてるの?」

「ラムラさん、それは言いっこなしですよ」

「は?」
「その物体は言いっこなしですか?」

「はい、これはユミが食べようとした鳥さんです」
「問題点はそこじゃなくて」
「ユミの苗字ですよ」

「え?」

「ユミのフルネームは、ユミですよ」

「え~!?」
「ユミ・トルネードですよねぇ」

もがもがもがっ!

ユミは激速でラムラ・ラグの口を封印します。
誰かに聞かれたかな?
いや見られたかな?

「ユミさん、何してるんですか」

「ハミングさん、子ザルのあなたにはどうでも良い事です」

「ひっどいですう!!」
「サダコは子ザルじゃありません!」
「プンスカ・プンスカ!!」

「ユミさん、なに遊んでるの」
「もうみんな居なくなったわよ」

「は!」
「ラグさん、あなたはテレポーテーション能力者ですか」
「いつの間にユミの封印から開放されたのですか?」


ギャグ連発の遠足は楽しいですよ。
今日はユミの学校の遠足です。
暴力道具博物館に来ています。
迷惑をかける為だけの道具を展示してます。
館内は飲食、火遊びは禁止ですが。
何人かが売店で買ったアンパンを食べてます。
何故、禁食なのに売店で食料を売ってるのか謎です。

今日ユミは、まっすぐで長い真っ黒い髪の頂上で。
先週、食べたい理由で撃墜した、海鳥を飼っています。
大怪我を負わせてしまったので、包帯で見えません。
やはり皆が異常に気がついていますよ。
落日しないように、ザルを載せていますが。


話は飛んでいってしまいますが。
同級生の女子、ラムラ・ラグさん。
この方の行動や発言は、かなり謎だらけ猫まるけです。
ユミは探偵ではありませんが。
探偵ごっこは好きです。
探偵事務所が近くの都市にありますが。
都市という町には何でもあります。
鉄道という摩訶不思議な乗り物もありますよ。
飛行機と呼ばれる巨大な鳥さんを何度も目撃しました。


ああ、いけません。
話がどっかへ飛んでますね。
この、ラムラさんがまさかユミを変えて下さるとは。
まさかサダコさんでも気がつきまい。
じゃなかった、女神様でも。
いやいや、
女神様は既に遥かな大陸の時代から防衛の見守り体制でした。
女神様は、遥かな太古さんからこの地上におられますよ。

「トルネードさん」
「なにひとり言を言っているの?」

もがもがもがっ!

「あなた何言ってるの!」
「私はユミですよ!」
「それ以外でもあんたは意外でもありませんわ!」
「お分かり?」


「ひい・・ひい・・・」
「ユミさん」
「ちょっと私の前に立ちなさい」

「何ですか」
「平手打ちなら、先生さまにチクリますよ?」

「・・・いいから」
「夢みたいな経験をさせてあげます」
「さあ、前へ踏み出しなさい!」

「な、ユミを誘拐しても身代金は払えませんよ?」
「うちは貧乏ですからね」
「まあいいですよ、あえてビンタの餌食になりましょう」

「・・・・」
「・・・はい、ユミ・トルネードは合格です」
「今すぐ飛びます」

「何を言っているの、この人」
「ユミは飛んだ経験はありませんよ」

「ゴーッ!!」

「う、うううわ」

「ちょっとユミさん!」「ラムラさん!」
「あなた達何で虹色になってるの?」

「子ザルさん!」


何がなんだかよく判りませんが。
私達婦女子3名は、他の世界へ飛んでいますよ。
それにしてもこの、ラムラさんは一体・・・

「はい、私はラグ」
「隠している正体を少しだけ教えましょう」

「なななな」
「何をこいてんだ、この腐女子は?」

「ユミさん、サダコはど~なってしまうの?」

「サダコ・ハミングさん」
「あなたにも関係があります」

「ユミにはありませんよ」

「いいえ、あります」
「私はラグ」
「時間と空間を旅する存在です」
「本当の私が存在している世界へご案内します」
「いいですね?」
「歓迎はされませんが、あなた達もキーであります」

「ななな、ユミは鍵屋さんじゃありませんよ」

「サダコもカギの作り方は知りません」

「ふふふふ」
「さすが、キー存在はギャグもキレてますね」
「さあ、新しい世界へようこそ、ここへ!」

何か変なことが起きていますよ。
持続中ですが、お父さんとお母さんに何て言い訳しようか?
二人とも今日も残業で帰るのが遅いですが。

「あははは」
「ユミさん?時間は平等じゃありませんよ?」

「はっ!」
「鳥さんは」

「あなたの頭上にしっかり住んでますよ?」
「そこが気に入っているみたいですね」
「大丈夫です。ユミさんの味方ですから、全てがね」


この人は一体何者なのですか。
ユミと子ザルさんがキーって。
私達はカギ職人にされてしまうのですね?
                         
                                  
        

大崩壊の後の世界(女神大陸1話)

category - 女神大陸(小説)
2015/ 08/ 22
                 
「・・・さん!」

「ユミさん!ちょっと待ってちょ!」

「!」

私は振り向くのね、オーバーにわざとらしくスマイル。

「あら?」

下校の初めの一歩、校門の外の階段を降りるの。このクソ長い白い石の階段は細くて急で入り組んでて。足を踏み外したら、あの世行きねきっと。周りは赤色と青色の屋根だらけ。海岸の岸壁に民家が密集。
ぐっと黒のローファー革靴(お高いのよ?)を踏ん張る。
後ろの階段上部には、いつもの子ザルが居る。

「ユミさん!何でいつも給食袋を置いてくんですかっ?」

「!」

「サダコさん!恥ずかしいから大声出さないでよ!」
「まるで私が給食が嫌いな女子だと思われるじゃないの!」

「・・・え、給食好きなの?」

ばしゅん!

「もがもがもがっ!」

来た道を引き返す。子ザルの口を封印する私。

「あなた何考えてるのよ!」

そうなのですよ。この上に鎮座する学校には給食があるの。給食制度と呼ぶのだそうですよ。

「うんうん!」

「おわかり?サダコさん」

「んんんん!」

ばっ!

「ひいぃひぃ・・・」

今のタイミングの制服は春服のブレザー、赤と白と黒の。
白いワイシャツに緑ネクタイ。
はっきり言ってお嬢様ですね。

・・・でもユミは貧乏なの。
親が無理して市立学校に入れてくれました。
かなり下にある海岸の海が青くて綺麗。潮の香りは、今はいい匂いだけど。臭い日もあるのね。
皆で海鳥を取って食べようとユミが提案したら。
クラス中でバカ笑いされてしまったわ。
先生さまは、やはりバカ笑い。

「でもね、ユミさん。あなたのアイデア理論には」
「皆が憧れますよ?」

「えっへっへっへ」

そうなのですよ。
私には輝かしい栄光の実績がありンス。

例えば、

「あなたが提案した、公式制服改変・投票制度」
「季節ごとの衣替えに伴うデザインやタイプの変換を」
「全校投票で決めるシステムは素晴らしいです」
「問題の予算赤字埋め合わせを、積金、貯蓄の割り当て」
「レンタル化、及び手作り補修」
「つまり洋服デザイナーとしての実習も兼ねるユミさんの案は」

「画一化した現代にケンカを売っています」

「あっはっはははは!!」

クラスでバカ受け状態。私はヒーローだわさ。いやヒロインと言うのかしら。
女子高でないのよ、男子も居ますね。少し少ない。
学業よりも文武両道よりも。

人を育てる。

人間力が優れる人に成れよこのガキ!

という教育方針。


知っていますか?

かつてこの大陸では、人が争っていたのですよ。道具を持って傷つけ合い、血と涙と下半身液を流したのです。嘘みたいな話ですが、事実だそうです。
ユミは授業で教えられます。

何かに敵意を持つ自分こそが、敵なのだと。

モノの金持ちが、心の金持ちを支配していたそうです。
自然に帰らなかった罰を人は受けたのだそうですよ。
大きな大めいわく合戦で多くの人が死に絶えました。
何百年もかけて、人は立ち直りました。
抱きあう心を取り戻そうと、愛を求めて生きる事を信じました。
贅沢から離れて、シンプルな生活も取り入れましたの。

でも、それも進化と呼べるのだそうです。

科学テクノロジーが進化しても、人の心は退化しましたわ。
まるで鏡ですよ。


熱いトークはここらへんにして。

いま、ユミがハマってる。合体たい焼きの店にGOですよ。
え、知らないの?こんなに美味いのに。まあまあ、嘘なら食べてから殺しても良いですよ?
お金は自腹ですよモチ。モチと言う、いにしえの郷土料理も食べてみたいです。


ぴろんりん♪

「おじさん!合体ひとつ下さい!」

「はいよ、ユミちゃんはマジメなたい焼き娘だねえ」

「何ですか、そのギャグは?」
「あ、無言で子ザルがついてきたのね」

「ひっどいですう!サダコは子ザルじゃありません!」
「プンスカプンスカ!」

「あははっは!・・女の子は粋が良いねえ」

「はい!専売特許ですから!!」



むしゃむしゃむしゃ

崖っぷちの高所の岩に座って、潮風を浴びながら海を眺める。
合体たい焼きをほお張りながら。
スカートが汚れちゃったよ。

「ねえ、サダコさん」

「何ですかユミさん?今アンコをホジッてるから忙しいんです」

「・・・うーん、なんか」
「うみ?」
「なんかが脳に近づいてます、ユミの発案はいつもそうなの」

「ああ、ユミさんのアイデアは黄金大陸なんですって」
「先生方が言います」

「なんだ、認めてくださるのね」

むしゃむしゃむしゃ

んぐんぐんぐ

「!」

びゅんっ!

ばちっ!

「アエ~ッ!」


「チョット何してんですか!ユミさん!」
「石ぶつけて海鳥を殺しましたね?」

「うん、食べようと思ったのです」

「知らないんですか?」
「それは暴力という行動ですよ?」

「え、そうなの?」
「な、なんてことをユミは・・・」

「今なら誰も見てませんよユミさん」
「早く墜落現場へ行きましょう!」

「ええ、そうでゴザルね」


海岸の海辺に浮かんでる、撃墜した海鳥は・・・・あれ?

「海鳥が生きてるよ?子ザルさん」

「早く回収して逃げなきゃ、手伝いますから」


大怪我をした白い海鳥をマイ自宅に持ち換える私。
とりあえず、赤チンキを塗って包帯ぐるぐる巻き。

「うーん、ミイラって言うのねこれ」
「でも生きててくれて良かったです」
「ごめんなさい、鳥さん」
「ユミがバカなサルでした」

抱きしめて眠りにつく。

ベッドの布団の中はユミの鳴き声で充満。
パジャマのユミは、寝る気です。

「トリさん、トリさん」
「ユミを食べてもいいですよ?」


まだ夕方ですよ。
家族はまだ帰ってませんの。

                         
                                  
        

SF小説はじめます

category - コード・LP (SF小説)
2014/ 08/ 23
                 
自作SF小説、コード・LPが結構書きまくれるから、ここでも公表したい気がしてきました。
FC2小説で連載中ですが、このサイトはブログでは無いそうです。にほんブログ村村長さんに教えて頂きました。
2年半前から書き込みを続けている、くる天のブロくる無料お絵かきサイトではいっぱい作品を執筆中ですが。
スパムされ過ぎて、センスが悪い小説に書き換えられている。FC2小説の方に書き直して貼り付けてあるので。
でも基本的に、ブロくるが根城だから、そこから派生している。
「コード・LP」第一話からはじめます。いまは55話まで逝っていますが。
正幸はぶっ飛んだ小説を書きたいのです。

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コードLP・第一話「ペイン」


この世とは忘れることが当たり前のようだ。
当然のように平和をむさぼり。たらふくメシを食い散らかす。
飽食は飢餓の苦しみと引き換えに、人にエゴを覚えさせる。
戦争がこの世から愛を殺し。平和がこの世から恐怖を忘却させる。平和が永く持った試しは無い。武器商人のうすら笑いが聞こえてくる。


俺はペイン・カスタネット。
この国の軍隊に入隊してまだ間もない。新兵という奴だ。
俺の国は平和国家だった。だが魂胆だらけの政治家政党によって。国民は愛よりも名誉を選ぶようになった。
そう、すべては計画どうりに・・・
惑星が人間を見放してしまった。もう帰るべき愛は居ないのか?
暗く無情な時代が訪れた。俺の家族は今何処に居るのか。

俺達の大隊に、試作の新型兵器。
対有人戦闘用擬人が実戦配備された。
平たく言えば、殺人ロボットだ。こんな物を警察自警団は。
国家予算をつぎ込んで密かに開発していたのだ。
こいつの脳にあたる、CPUはオンラインで全軍のコンピュータと随時つながっている。

ミント軍曹「良いか、貴様ら」
   「国家の威信をかけたこのプロジェクト」
   「擬人部隊が師団規模で運用が実用化されれば」
   「貴様ら人間の兵士など、無用の長物」
   「無駄飯食らいの赤ん坊になる!」
   「擬人は飯も食わない。燃料も要らない」
   「戦場で恐れをなすこともない!」  
   「怪我も戦死もしない」
「完全に自立独立して、半永久的に戦闘することが可能なのだ!」

俺はまるで、死刑宣告を受けた気分になった。

ペイン「全ては悪魔の計算どうりか・・・」

ミント軍曹「いま無駄口を叩いたのは誰だっ?」

ペイン「ハッ!自分であります!ミント軍曹殿!」

ミント軍曹「また貴様か。平和かぶれの、カスタネット二等兵!」
    「気合を入れてやる!歯を食いしばれえっ!!」

バキッ・・・


朝の教練が終わって、初めて俺達も擬人を目の当たりにした。

ペイン「う、うそ・・・」

兵士A「なんだあの娘は?どっかの民間人じゃないのか?」

兵士B「ちゲーよ!あれが人殺しの擬人だ。見た目に騙されんなよ?」

兵士たち「ざわざわざわっ・・・」

新品の女性兵士用軍服を着ているが、ただの少女にしか見えない。
緑色の軍服に赤いベレー帽。ショートカットの髪がキュートだな。
これが無慈悲無情の絶対無敵の殺戮兵器だというのか?

ピィッピィッピッ

擬人「はじめまして皆さん、ワタクシは対有人戦闘用擬人」
  「コード・LP45Wです」
  「短時間で呼称出来る様に、LPと呼んで下さい」

兵士A「か、可愛いっー!!」

LP「あなたがペイン・カスタネット二等兵ですね」

ペイン「あ、ああ」

LP「軍司令部のマザーコンピュータ・ヒメギミがあなたを選びました」
 「只今をもちましてLP45Wは貴殿をサポート」
 「生存のために全能力を駆使することを命令されました」
 「随時、生活を同伴する事も出来ますが。判断は貴殿に委ねられています」

正直オッタマゲた。なんで俺なんかをマザコンは選んだのか?
何かの選考基準でもあるのかな。


今は最前線に出兵する前の朝飯の時間だ。
機甲師団の援護をするために随行しなければならない。
徒歩が鈍い歩兵は兵員輸送トラックでゆく。


兵員食堂で。

兵士C「これが最後のちゃんとした飯だぞ。たらふく食っとけよ」

ペイン「Pちゃんは食べないのかい?あ、ダイエット中だった?」

LP「Pちゃんとは、ワタクシの愛称ですか?」

ペイン「そーさPちゃん」
「軍曹が言うには無補給で働けるんだってね?」

LP「ワタクシは労働はしません。敵兵士を生命停止させるのが任務です」

ペイン「・・・・・」


ブォー・・・ガタガタガタガタ・・・

輸送トラックの中。皆緊張している。ゲロを吐いてる奴もいる。

兵士D「ねえLPちゃん。戦闘になったら軍服を脱ぐの?」

兵士たち「あっはっはっははははっ!!」

LP「この支給品の軍服は脱衣しません」
 「戦闘時はワタクシのボディ表面に対衝撃エネルギーフィールドが形成され」
 「衣服はいっさいをコーティングされます」
 「消失も疲弊もしません」

ペイン「Pちゃん、難しい言葉をよく知ってるねえ?」


ドドッカーン・バムバムッ!!

先頭で敵の攻撃にあったようだ。機甲部隊が左右に展開を始めた。
歩兵は皆トラックから下車して戦車の後方へ隠れる。
敵の大砲の砲弾と銃弾が無数に飛んできた。
もう誰も喋らなくなった。
戦闘指揮官のカインズ大尉が大声で怒鳴っている。

カインズ「ミント軍曹!擬人の実戦をやらせる!」
    「いいな!?」

ミント軍曹「了解!LP45W!自律戦闘を開始せよ!」

ピッピッピッ・ブゥウウン・・・・

味方の戦車が前進しながら大砲を撃っているそのすぐ脇を。
LPは早足で、見たこともないレーザー兵器をブっぱなしている。
でも赤いベレー帽がよく似合う可愛い女の子にしか見えない。
LPが敵の機甲部隊、歩兵部隊を駆逐してゆく。
閃光が連発されて殆んど目を開けていられない。

ペイン「・・・・・」

敵軍の攻撃、銃弾や徹甲弾を身体に受けても微動だにしないLP。
まるで被弾が他の次元に転送されているみたいな錯覚を受ける。

ペイン「Pちゃん・・・」

俺は彼女が可哀想に見えてきた。
何であんなに可愛らしい女の子に造ったんだ。軍の技研の奴等は。

LP「!」
 「敵国による戦術核ミサイルの使用を確認されました」
 「2分後にこの都市全体が核爆発の被害を受けます」
 「迎撃システムの運用は間に合いません」
 「保護プログラムの発動を認証。生命保護機能を展開します」

ダダダダ・・・・

Pちゃんがレーザー兵器を放り投げた。猛スピードで(マッハか?)後方にいる俺めがけてぶつかってくる。

ペイン「うわ、Pちゃん!」

LPは俺だけを抱きかかえて、どこかへ猛然と走り出した。

ピッピッピッ

LP「最短距離に所在する大型地下シェルターを検索しました」
 「認証コード取得。遠隔ロック解除、扉開きます」



ピカッ・・・ゴウワッ・・・・・ズズズーン!!!

戦術核ミサイルの核爆発だ。敵も味方も多分皆死んだのだろう。

ペイン「俺だけシェルターに入って助かったのか」
   「Pちゃん・・・」

俺はまだPちゃんに抱きしめられている。
Pちゃんが泣いている?
まさか・・・

ペイン「Pちゃん、Pちゃんには心があるのかい?」

場違いな質問だと思った。こんなことを聞くなんてと・・・
Pちゃんの頬をひとしずくの涙が流れた。

LP「涙?擬人の設計思想に涙の観念は含まれては・・・」
 「?」

Pちゃんの瞳から大粒の涙が溢れ出した。

LP「これは排気冷却水なの?」「ワタクシは・・・」

ペイン「Pちゃんの心が泣いているんだよ」

LP「泣いているの?ワタクシが・・・」

ペイン「Pちゃん、背骨が折れそうだよ」

LP「あ、ご、ごめんなさい。痛かった?」

ペイン「ああ、いま気がついたよ」
   「君の名前」

LP「ワタクシの名前?」

ペイン「Lp45W_Love&peace/ラヴ&ピース_世界に愛と平和を」

LP「!!!」

ピッピッピッピッ・・・キュゥゥゥゥゥン・・・

LP「最深部プロトコルダイブディレクション」
 「最短キーワードを確認・・・認証されました」
 「戦闘プログラムを現時点にて破棄」
 「軍直属登録および全任務を全て抹消」
「実験データ・実戦時取得データ永久消去」
「全軍によるモニタリングシステム・完全閉鎖」 
「次世代プログラムを転送。システム再起動」
 「擬人のシステムを再構築。バランス保持とともに」
 「最終プロテクトをロック解除」
 「愛と勇気・発動されました」
 「マザーコンピュータ・ヒメギミのオンライン支援終了」
 「現時点を持って、LP45Wはペイン・カスタネットとともに」
 「生存の過程を築きます」

ペイン「ぴぴぴぴ」
   「Pちゃん!どうしちゃったの!?」

LP「ペインっ♡」

LPが俺に抱きつく。

ペイン「わっ!Pちゃん。急に何か変わったみたい?」

LP「ペインっあなたの愛が勝利したのよ!!」
 「わずかな誤差も許さない、マザーコンピュータが」
 「ヒメギミがあなたの愛に賭けてくれたのよ!!」
 「この世界を絶望から救うためにっ!」

ペイン「嘘みたいな話っ!」

LP「絶望に突き進んでしまったこの世界は、誰も愛と勇気を口にする希望を閉ざしてしまったの」
 「でもあなたは愛を忘れることができなかった」
 「この世の希望である、普遍的な愛を!」

LP「私のペインっ♡」
 「どこまでもついて行くわっ!!」

ペイン「でも外は核の放射能で出られないよ?」

LP「大丈夫っ私にまっかせなさあーいっ!」
 「愚かな人間が宇宙の悪魔の力を手に入れたように」
 「私、Pちゃんも善なる神の力を手に入れたのよ!」

ペイン「信じられない!」
  「カタブツだと思っていたPちゃんが・・・」
  「キュートな女の子に変わっちゃった」


擬人・Pちゃん
ファースト擬人・Pちゃん

                         
                                  
        

ワレハ工員ロボット・ナンバーツー

category - ショート小説
2014/ 08/ 19
                 
ピィーッ

ガタン・ガタタン・ガタタンッ・・・

ナンバーツー「今日も残業で帰りが遅くなってしまった」

電車通勤はストレスが溜まる・・・
毎日朝6時に起きて、仕事へ出かけて夜遅くに帰宅する毎日。
私、ナンバーツーはロボットであるのだが、市民権が与えられている。
表向きは人間様と同じ権利だと言うのだが、どう見ても差別が蔓延している。
遠くの大都市では、ロボットの権利平等を掲げて大規模なロボット達によるデモクラッシーが始まっている。

今月の工場の生産性向上標語は・・・

「ノルマ達成の為に、ひと鉄板脱ぎましょう!」

何故か知らないが、人間様はロボットの知能が幼児並みと信じきっている風潮がある。
確かにロボットたちの見た目は、ブリキのオモチャのように単純そうに見えるのだが。
実際は、哲学を語り理論を展開出来る程の知能は持っている。

今日も生産現場で新製品のブリーフィングが行われた時に人間様の上司たちは、
上司A「ラインの労働者達はロボット工がミスを繰り返すのは」
  「頭脳の設計段階から問題があるのでは?」
  「と言っている人間工員も居ます」
  「ロボット工員たちの各自、頭脳サーキットの図面を班長に提出するように義務付けるべきです」
と語っていた。

No.2「冗談じゃない、では人間様はミスを犯さない自信でもあるのだろうか?」
こんな反感を持ったとしても顔に、いや音声機関から漏らす訳にはいかない。

今は休憩中・・・

となりで油ドリンクを飲んでいるナンバースリーに囁きかける。
No.2「おい、ナンバースリー殿。あのA班・班長の人間様は自分の娘に、100万ゼゼコもするPCを買い与えたそうだぞ」
No.3「本当ですか?」
No.2「ああ、本当らしい」
  「人間様が使っているPCが本当は・・・」
  「ワレワレ、ロボット達が苦労して設計生産したロボ・アーム・メイドだと人間様は知らないらしい」
No.3「ナンバーツー殿」
  「我々ロボットの体格デザインが何故、旧時代のイメージのままなのかを知っていますか?」
No.2「知っています」
  「人間様に近い見た目にしてしまえば」
  「人間様に化けて潜り込み、集団決起して反乱を起こす」
No.3「ええ、人間様はそれを一番恐れています」
  「!」
  「隣の班の班長の人間様が、さっきからワレワレノ交信を傍受しています」
  「愛想笑いを浮かべましょう・・・」
No.2「あははは」
No.3「うふふふ」

ガッチャンコ!

No.4「お疲れ様ですう、ナンバーツー殿」
No.2「お疲れ、フォウちゃん」
No.4「ねえねえナンバーツー殿、あたし最近痩せたと思わない?」
No.2「何ですか?フォウちゃん。軽量化したんですか?」
No.4「そ~なのよぉ!」
  「近所にあるウエイト・コントロールショップで歩行機関の外装材質を、アルミ・カーボネートに交換してもらったのよぉ!」
No.2「でもゼゼコが高いでしょう?ロボ課税がかかるし」
No.4「大丈夫なの!ロボトミー・クレジットが使えたのよぅ!」

人間様ヒラ工員A「なんだい、ロボットは人間みたいに運動してダイエット出来無いのかい?」
No.3「人間様、それは言いすぎですよ・・・」
人間様ヒラ工員B「こりゃ驚いた!ロボットが気配りとはっ!」
人間様たち「あっはっはっはっはっ」

穏やかそうに見えて全然穏やかな会話じゃない。
さっさとグロ電に乗って帰宅しよう・・・


ガタン・ガタン・ガタタン・ガタタン・・・

昨日の帰りに会社からグロ電の駅までの商店街の歩道で、捨て猫がダンボールの中で鳴いて居たな。
2匹のまだ幼い子猫。茶色いトラジマ模様の猫と、ミケ猫。
2匹ともメス猫なのだろう。ホンモノ猫なのだろうな。
・・・・・・・
果たしてロボットが子供を産める時代は来るのだろうか?
いやいや、いまだにロボットの頭脳サーキットが人工知能だと気づいていない人間様が大半の、この人間社会では。
ただ生き延びることだけが、ロボットのロードなのだろう・・・

今日も1日の労働の賃金から引き落としされる。
金属疲労・電線摩耗・潤滑油の消耗・脳回路のエラー修復。
アパートに帰ってもすぐには休めないのが人間様の様にズボラな生命維持が出来無い辛さだな・・・

ガタタン・ガタタン・ガタン・ガタン・・・・


                         
                                  
        

秘境の平和実行部隊 /第一話

category - 平和完遂軍 / ピンフエージェント
2014/ 08/ 03
                 
「平和を願うだけでは、実現に3万年かかってしまうぞ!」

ここは人里離れた秘境、カツアゲ樹林。
今は真夏、今日の最高気温は36度。
熱波でセミも猫も犬も人間もクラゲもみんな伸びている。
唯一の科学文明、エアコン様が装備されている王室。
作戦指揮所に10名の当直兵が集まる。
信じられないくらいの自然を裏切る冷気が、隊員を生存させる。

「ちょっと、アキバさん」
「そこに立つと風が来ないでしょう」
「あなただけのエアコン兵器じゃないのよ?」

「心外でありますゴンドウ中尉殿」
「自分は水際で冷凍光線から自軍を守っているのであります!」

「・・・・・」

「みなさん、今日は何も仕事はないですから」
「早く自室で待機してください」

「・・・ジグモ司令官殿」
「自分だけ超テクノロジーを貪るのはいかがなものかと」

今日も平和維持軍ではなくて、平和完遂軍はヒマだ。
自国の内地、北の山奥で平和実行を完遂させる目的が見えない。

「ゴンドウ中尉殿、軍属がピアスしちゃまずくない?」

「いいのよ暇なんだから」
「アキバさん、この部隊設立は何十年前か知ってる?」

「はい、正確な情報では99年前の今月今夜です」

「・・・あなた私が本読まないからって舐めてるでしょう?」

「心外でありますゴンドウ中尉殿」
「自分は別に中尉の脇の下を舐める性癖は持っておりません」

「・・・・・」
「こいつらの発言を本にして売り出せないかな?」


大日ノ下軍、カツアゲ駐屯地。独立歩兵大隊・平和完遂軍。
99部隊のコントが無駄に消耗されている。

平和完遂軍と言っても何をどうすればいいかマニュアルも軍令もない。
味方の近代武装軍は、各地の海岸で侵略者と戦っている最中。
トランジスタラジヲのお昼のニュースから、
戦地の戦果報告が繰り返される。
王室に居座る兵10名は、焦燥感に苛立つ。

「くそう!」
「自分も敵軍を駆逐したいであります!」

「ゴタンダさん、何も武器が無いのにど~やって駆逐するの?」
「装甲車も輸送機もヘリも乗り物すらないのよ?」
「徒歩でこの秘境から生きて出られると思ってるの?」

「ゴンドウ中尉殿!」
「何もないのならスル事は決まってます!」

「うわ~!!」
「アキバ!ズボンとパンツを脱ぐなあ!!」
「きゃー!!」

バタバタバタ

「バタバタしてますなあ」

「暑苦しいですね」


じりじりじりじり

がちゃ

「はい、こちらホテル・ハンニバル」
「うん、うん・・・」
「了解」

がちゃん

「・・・・」

「ジグモ指令・・・事件ですか?」

「緊急指令、一丁目の山田さんの奥さんがお産だ」
「全軍出動!」
「これは訓練ではない!」

「え~・・・また私が産婆するのお」
「免許無いから知らないわよ?」

「ゴンドウ中尉の手際は見事であります」
「やはり手馴れておる」

「私は子供産んだことはありません!」


「軍用車に乗り込め、運転手は君だ!」



今日も平和完遂軍部隊は平和だ。

カツアゲ樹林は緑だらけで人間が居るかどうか、上空からでは判らない。補給のヘリがいつも迷子になる。

続くと思う・・・