平和完遂軍 / ピンフエージェント

        

砂丘の決死訓練(平和完遂軍2話)

category - 平和完遂軍 / ピンフエージェント
2015/ 09/ 20
                 
「あ、海だあ!」
「ねねね、ジグモ指令」
「海が見えてきましたよ!」

「にしてもローカル線に乗って自国の海岸線まで遠足なんて」
「わが日ノ下軍は何を考えているんでしょう」
「ゴンドウ中尉殿」
「さっきからパンツが見えていますが」
「自軍へのサービスですか?」

「アキバぁ!このドスケベ!」

ボク!

「キュウ・・・」

「あっははは」
「ゴタンダさん」
「今朝作ったお弁当をどうぞ」
「はい、あ~ん」

パク

「もぐもぐ、ぐちぐち」

「うん、美味しいですね」
「さすが、マテルカ大尉は良きお嫁さんになれますな」

「あははははは」

ピィイ

ガタンガタンガタタン


「ちょっとなにあの人達」

ヒソヒソヒソ

「軍服来てるからコスプレマニアかと思ったら」
「巷でうわさされてる、戦争をしない軍隊よきっと」

「まあ怖い!」
「無駄な税金をせしめてる」
「無能な平和主義者ね」

「ちょっとあんたたち」
「善良な民間人だからって言って良い事と悪い事があるのよ!」

「まあまあ」
「ゴンドウ中尉殿」
「喧嘩はよしましょう」
「楽しい訓練が台無しになってしまいますよ」
「お肌の曲がり角にはまだ早いのでは?」

「あほかお前はあ!」

ボキ!

「ぐてん!」

「あ~あ」
「アキバ少尉が床で寝ちゃいましたよ」
「サスガ一等兵」
「アキバさんを起こしてあげて」

「了解でござる、マテルカ大尉殿」

ガタンガタタン



ザザザザアン!


「うわあ!」
「海はでっけえなあ!」
「ジグモ指令、ずっと無言ですが何かしたんですか?」

「いやなに」
「訓練の予定を考えていたのですが」
「それにしてもゴンドウ中尉」
「いつの間に水着に着替えたのですか」

「あらら」
「最初から軍服の下に着て来たのよ」

「う~ん」
「更衣室で海パンに着替えなければ」


「どうでござるかアキバ少尉殿」
「女性隊員二名のボディ評価は?」

「う~ん」
「スタイルの均整から言えばマテルカ大尉ですが」
「ムチムチのいやらしさではゴンドウ中尉が使えますな」
「エヘエヘエへ」

「うわ~!」
「なんだアキバ!そのいやらしい目つきは!」
「こら~!」
「海パンを脱ぐなあ!!」
「きゃ~!!」

ザクザクザクザク

「ザクザクしてますな」

「暑苦しいですね」


「は~い」
「みなさん集まってください」
「午後の自由時間の前に」
「砂浜で実戦訓練を行います」
「各自武器は携帯していますね?」

「あのうマテルカ大尉殿」
「近所の駄菓子屋で買ったこのギン玉鉄砲が銃火器ですか?」

「はいそうです」
「充分な殺傷能力がある最新兵器です」

「なんだかなあ」

「訓練はですね」
「だるまさんがコロンだ作戦!」

「がく!」

ザザザザアン!

「カンケリとだるまさんがコロンだと銃撃戦を組み合わせた」
「複合型ミッションです」

「あのうマテルカ大尉殿」
「我々がこんなアホなことをしているうちに」
「南方の自国領土は敵軍の脅威にさらされているんですよ?」

「ゴタンダさん」
「そんなこと言っても私たち99軍は戦争をしてはいけない軍規ですよ」

「ゴンドウ中尉殿!」
「胸の谷間を見せながらそんな現実を語るのは辞めて下さい」
「ムラムラしてきます!!」

「うわあ~!」
「アキバぁ!海パンを脱ぐなあ!!」

ザクザクザクザク

「いいですかあ」
「まず私が鬼になりますから」
「各自カンケリとだるまさんがコロンだと射撃訓練を遂行して下さい」

「はい!」
「発言してよろしいでしょうか?」

「はい」
「ゴタンダさん」
「発言を許可します」

「この訓練はどう見ても子供の遊びに感じますが」
「実戦がこんな子供だましだとおっしゃるのですか?」

「!!」

「ゴタンダさん」
「この作戦内容は軍事機密扱いの特Aに指定されています」
「よく考えてから発言するように」

「ひいい!」
「こめかみにギン玉鉄砲をくっつけるのを辞めて下さい」


1時間経過・・・

「だるまさんがコロンだ!」

がば!

「きゃ~!!」
「後ろから抱き着いたのは誰だあ!」

「ゴンドウ中尉殿!」
「殺りく兵器など廃棄して自分と愛を語り合いましょう!」

「おっぱいをもみながら言うセリフかあ!!」


「マテルカ大尉殿」
「ギン玉鉄砲では射程距離が短すぎて上に向けて撃っても当たらんでござる」

「サスガさん」
「わが99軍には実際の兵器を運用してはならないと言う軍規約があります」

「それはわが99軍が平和を実行せよとの軍規でござるか?」

キン!

「きゅうう」

「見たかアキバ!」
「カンケリではなくて金けりの訓練だ!」
「即応性に優れているだろう」

「え~」
「皆さん、訓練を終了して自由時間になります」
「あと2時間ほどしたら帰りますから」
「あそこの海の家に集合して下さい」


2時間経過・・・

ガタタンガタタン


「あ~」
「楽しかったですね、マテルカ大尉殿」

「ええ」
「過酷な訓練だったけど、皆よく消化してくれました」
「カツアゲ駐屯地に帰ってもこの実戦訓練の成果を忘れない様に」

「なんか遊んでただけのよ~な気がしますが」

「ふっ」
「お子ちゃまねアキバ少尉は」
「私はもう実戦の感をつかんだわ!」

「ゴンドウ中尉殿」
「パンツを見せながら言うセリフではありませんな」

「このセクハラ軍属があ!!」

ボクウ!
                         
                                  
        

秘境の平和実行部隊 /第一話

category - 平和完遂軍 / ピンフエージェント
2014/ 08/ 03
                 
「平和を願うだけでは、実現に3万年かかってしまうぞ!」

ここは人里離れた秘境、カツアゲ樹林。
今は真夏、今日の最高気温は36度。
熱波でセミも猫も犬も人間もクラゲもみんな伸びている。
唯一の科学文明、エアコン様が装備されている王室。
作戦指揮所に10名の当直兵が集まる。
信じられないくらいの自然を裏切る冷気が、隊員を生存させる。

「ちょっと、アキバさん」
「そこに立つと風が来ないでしょう」
「あなただけのエアコン兵器じゃないのよ?」

「心外でありますゴンドウ中尉殿」
「自分は水際で冷凍光線から自軍を守っているのであります!」

「・・・・・」

「みなさん、今日は何も仕事はないですから」
「早く自室で待機してください」

「・・・ジグモ司令官殿」
「自分だけ超テクノロジーを貪るのはいかがなものかと」

今日も平和維持軍ではなくて、平和完遂軍はヒマだ。
自国の内地、北の山奥で平和実行を完遂させる目的が見えない。

「ゴンドウ中尉殿、軍属がピアスしちゃまずくない?」

「いいのよ暇なんだから」
「アキバさん、この部隊設立は何十年前か知ってる?」

「はい、正確な情報では99年前の今月今夜です」

「・・・あなた私が本読まないからって舐めてるでしょう?」

「心外でありますゴンドウ中尉殿」
「自分は別に中尉の脇の下を舐める性癖は持っておりません」

「・・・・・」
「こいつらの発言を本にして売り出せないかな?」


大日ノ下軍、カツアゲ駐屯地。独立歩兵大隊・平和完遂軍。
99部隊のコントが無駄に消耗されている。

平和完遂軍と言っても何をどうすればいいかマニュアルも軍令もない。
味方の近代武装軍は、各地の海岸で侵略者と戦っている最中。
トランジスタラジヲのお昼のニュースから、
戦地の戦果報告が繰り返される。
王室に居座る兵10名は、焦燥感に苛立つ。

「くそう!」
「自分も敵軍を駆逐したいであります!」

「ゴタンダさん、何も武器が無いのにど~やって駆逐するの?」
「装甲車も輸送機もヘリも乗り物すらないのよ?」
「徒歩でこの秘境から生きて出られると思ってるの?」

「ゴンドウ中尉殿!」
「何もないのならスル事は決まってます!」

「うわ~!!」
「アキバ!ズボンとパンツを脱ぐなあ!!」
「きゃー!!」

バタバタバタ

「バタバタしてますなあ」

「暑苦しいですね」


じりじりじりじり

がちゃ

「はい、こちらホテル・ハンニバル」
「うん、うん・・・」
「了解」

がちゃん

「・・・・」

「ジグモ指令・・・事件ですか?」

「緊急指令、一丁目の山田さんの奥さんがお産だ」
「全軍出動!」
「これは訓練ではない!」

「え~・・・また私が産婆するのお」
「免許無いから知らないわよ?」

「ゴンドウ中尉の手際は見事であります」
「やはり手馴れておる」

「私は子供産んだことはありません!」


「軍用車に乗り込め、運転手は君だ!」



今日も平和完遂軍部隊は平和だ。

カツアゲ樹林は緑だらけで人間が居るかどうか、上空からでは判らない。補給のヘリがいつも迷子になる。

続くと思う・・・