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悲しい人生のワクチン

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2020/ 03/ 05
                 
昔の友人、男性で30歳くらい年上のKさんは本が好きで、よく本や昔の人物の話をしてくれた。



今は施設に入っているか、亡くなっているかもしれない。



その人の人生は苦労話ばかりだった。



弟の見合いの日に自殺未遂をして病院に入院したり、幻聴を本物の話し声と勘違いして隣の家に踏み込んだり。



実家に住んでいると運勢が悪くなるからと、ひとりでアパートに住んでいた。



もう亡くなっていると思うけど、当時90歳の御両親に仕送りしてもらい、貧しい暮らしをしていた。



ある日、その人のアパートへ行くと、部屋の中が血だらけになっていて。



「Kさん、やった?」



と聞くとうなずいた。自殺未遂したようだ。包丁で腹をかっさばいたらしい。



すぐに救急車を呼んで病院まで運んだ。



救急隊員に事情を聴かれて「精神科にかかってます」と言うと、救急隊員は黙ってしまった。



俺は17歳で精神科病棟に入院して、精神病で悲劇的な最期を迎えた人を何人も見てきた。



悲しみが自分の心を支配した、でも自分は生き残った。



夜になって、総合病院でオペが始まってから帰った。



アパートに停めてある車までタクシーで帰るとき、タクシーの運ちゃんが腰が痛いと威張りながら言っていた。



自分は「へえ、そうですか」と客なのに敬語を使った。まだその時は自分は20代で世間では青臭い若造だった。







悲しみと向き合い、受け入れたり受け入れられずに暮らしている人。



そんな人たちの癒しになりたいと願った。



バカで間抜けなピエロを演じようか?



律儀で実直な代弁者になろうか?



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