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再生の女神(女神大陸4話)

category - 女神大陸(小説)
2016/ 07/ 10
                 
次の日の朝。ペイン・カスタネットさんとPちゃんさんに別れを告げて。ネオ・チョモイヤシティの手前、2キロメートルの高台のところに来ている。ユミたちは徒歩だ。
サダコさんが隣で道端で買ったカニ焼きを食べている。

もぐもぐもぐ

「ユミさん」
「ラムラさんは怪しいと思いませんか?」

「しい!」

この世界の住人、同級生のラムラ・ラグさんは前方8メートルのところで、双眼鏡で眼下に広がるネオ・チョモイヤシティを見渡している。何かを探しているみたいね。

「ラムラさんは何かを隠していますよ」
「ユミにはわかります」
「ユミたちに鍵穴に合うカギを作らせる気です」

「ななな」
「ユミさん、何でそんなことが解るんですか?」

「わかりません」
「ただなんとなく解るのですよ」

「あなたたち」」
「なにをおとぼけギャグかましているんですか」

いつの間にかユミと子ザルさんの枕元に立っている。ラムラ・ラグさんは顔が赤い。発情期のメス猿ですか?
右手にチャカという迷惑道具博物館で興味がわいた、人に迷惑をかけるための道具を持っています。

「ラムラさん」
「その手に持っている迷惑道具でユミを激殺する気ですね」
「ユミにはわかります」
「ユミを殺した後、処女の人肉として高値で取引する気でいますね」

「あははは!」
「自分で純潔を自慢するくらい元気なら心配いりませんね」
「そうです」
「ユミ・トルネード、サダコ・ハミングはこの世界のカギになります」
「新しい次元の扉を開けるためのね」

「にゃにゃんと!」
「鍵の職人になって学園を辞めさせられるのですね」
「ユミにはお嫁さんになるという夢がありんすが・・・」

「大丈夫」
「素敵な殿方と結ばれますよ」
「サダコさんもね」

「キャー!」
「サダコはまだ恋をしたことがありません」

「ユミは既に男性の赤ちゃんを身ごもっているのですよ」

「ユミさん」
「冗談はほどほどに」

「嘘じゃありませんよ」
「昨日の夜に、ペインさんと眼が合ってしまいましたよ」
「ユミは汚されたのです」

「あはははは!」

「ユミさん」
「目でSEXする宇宙人ですか?」

「サダコもペインさんの眼を見ました」
「胸の奥がじんじん来ました」

「うふふふ」
「素敵な話はあとでゆっくり聞いてあげるから」
「まずはひと仕事してもらいましょうか」
「さあ!」
「あのバスに乗り込め!」

ブロロロロ

ちょうどタイミングよくローカロバスが停車した。ここはバス停なのか。にしても時計も見ずに何でラムラさんはバスの到着時刻を知っているんでしょうか?

「ユミさん」
「これは能力じゃありませんよ」
「目視です」

うーん。ラムラさんはユミの心を読んでいるようです。これじゃうかつに卑猥な妄想が出来ないでやんす。あんなことやこんなことが・・・

バスはネオ・チョモイヤシティ行きのバスで。途中のバス停で何度かお客さまを乗せた後、無事に終点のネオ・チョモイヤ駅前に着いた。

バスウウゥ

ネオ・チョモイヤシティ駅前に居る。ビルがいくつも立っている。
ユミの見たこともない近代的な世界が広がっている。えと、確かラムラさんの説明では、ユミのいた世界とは違う次元の宇宙だと言っていましたね。ここは惑星チーズだとかなんとか。
周りの大人たちがこっちをじろじろ見ています。

「うーんと」
「あ!」
「あっちかな」

ラムラさんは観光ガイド地図を片手に観光する気ですか。

「違いますよ」

「ユミさん」
「ラムラさんは心を読んでいますよ」
「サダコが昨日から下着を変えていないことも知ってます」

「しい!」

「想像すりゃ分かる内容ですね」

目の前を歩くブレザーを着たラムラさんの後について、ユミとサダコさんも歩く。ユミも昨日からパンツとブラジャー変えてないよ。
一週間くらい持つよね?

「ユミさん」
「心配しなくとも、衣食住の保証はします」
「もう着きましたよ」

雑居ビルの三階まで来ましたが、彼女が入り口のチャイムを押していますね。サダコさんもラムラさんも黒髪です。サダコさんはおかっぱ。ラムラさんはユミと同じセミロングです。サダコさんは背が低くて鼻ペチャでおサルさんみたいな顔。ラムラさんは背が高くて鼻が高くて美人です。ユミも負けてはいませんが・・・

「はーい、どうぞお入りください」

ガチャ

「来ましたよ」
「英雄の到着です」

「おお!」
「世界を変える時代が来ましたね」

「この男性はインク・サプライさん」
「向こうの人はリンネ・ラグ。私の妹です」
「まだミドルハイスクールなんですよ」

「初めまして」
「サプライです」
「あなた達のサポートをします」
「兵器の弱点を教えてあげますよ」

「こんち」
「あたいがリンネじゃ」
「ラムラ姉ちゃんに話を聞いて会うのを楽しみにしていたのじゃ」

「この子」
「喋り方が独特だけど、理解できる範囲だから」

「ははは、はじめまして!」
「サダコ・ハミングと申しますですう!」

「ユミです」
「フルネームでユミです」

「はい、ユミ・トルネードさん」

「へいきって何ですか?」

「そうだねえ」
「殺傷能力のある道具のことかな」

「ああ」
「迷惑道具のことですか」

「はい」
「銃には決まった数の弾しか入らなくて、再装填と言う無防備になる時間が産まれます」
「ユミさん」
「この世界を破壊から救ってください」
「あなたたちが最後の希望です」

「ええ!?」
「ユミはおとといの宿題もまだ済ませていないんです!」

「あはははは!」
「ユミさん、やる気満々ですね?」

いつの間にかサダコさんがピコピコ何かをしていますが。部屋は結構狭くて蒸し暑い。白い部屋に灰色の椅子と机が並んで。窓のブラインド越しに、隣のビル建設工事が見える。カンカンやかましい。
扇風機が回っているが、気休めにしかなっていない。クーラーという文明の利器がないみたい。サダコさんがリンネさんと仲良くなった。ゲームという遊びを教えてもらっている。

「来たか」

「来ましたね」

「え」
「ラーメン屋が来たの?」
「ユミはカレーが食べたい気分ですが」

ビルの窓から見える光景は初めて見るものだった。激しい音とともに軍隊という迷惑集団が戦争という殺人合戦を始めた。
飛行機と呼ばれる鳥さんが、爆弾を落としてゆく。
周りのビルが爆音とともに崩れてゆく。かなり揺れる振動。ここも安全ではないらしい。

「逃げるぞ!」
「みんなついてこい!」

インク・サプライさんの後についてビルを出てゆこうとする。
サプライさんは三十代くらいのやせ形で、カチッとした七三分けでスーツを着用している。彼の靴音がやかましい。ユミのローファーの音もやかましですが・・・みんな同じか。
昨日から着っぱなしのユミの制服のブレザーはもう汗臭いです。
いたるところで銃撃音がするんですが。
あれ?なんで銃撃音なんて言葉を知ってるんだろ?

「ユミさんは進化してるんですよ」

走る最中にラムラさんが前から語り掛ける。振り向かずに。

「サダコさんもね」

サダコさんはユミの後ろで無言だ、きっと怖いのだろう。ユミも怖くて泣きたい気分。

「しまった!」

行き止まりのところに来てしまった、目の前に壁がある。彼は壁をよじ登りだした。無理だ、高すぎる。無事では済まない。

ドッカー―ン!!!

バラバラバラ

激しい爆音と衝撃波とともに壁が崩れた。彼はどこへ?
左手で顔をかばうと、戦車のキャタピラの音が聞こえる。え?キャタタピラとか戦車とか。何で知ってるわけ?

大通りが目の前に展開する。周りにビル群。メインストリートのようだ。相手側の軍隊が進撃してきている。こちらの都市を防衛する軍ではもたないらしい。
あちこちで死体が転がっている。民間人と軍人。血がアスファルトに染み込んで黒くなっている。

「ユミさん!サダコさん!」
「ラムラたちを守って!!」

軍隊がこちらに発砲してきた。銃弾の雨が来る!
ラムラさんたち現地人は頭を両手でかばい前かがみになる。
ユミとサダコさんは無意識に前に出て両手を広げた。
パーンとはじける音がして、二人の周りに透明な紫色の半円形の球体が出来る。キューン!と言う不思議な音とともに光が発生する。
あれ?
ユミたちは死んでいない。弾丸を浴びたはずなのに無傷だ。
砂埃と煙で隠されていたが、やがてあらわになる。

「異端者だ!!」
「化け物だ!」
「早く殺せ!」

撃ってきた人たちの憎悪が見える。激しい怨念が。

ドン!!

戦車の榴弾が放たれた。戦車は三両。
足元のアスファルトが砕け散るが、またユミたちは半円球体に守られる。これはなんですか?
怖くてたまらない。これが迷惑合戦・・・

「これは夢なのですか?」

あれ?隣を見るとサダコさんのブレザーとスカートが破れている。下着が見えているです。

「子ザルさん子ザルさん」
「婦女子が下着を見せてはいけません」
「お嫁にいけませんよ?」

「ひっどいでうぅ!」
「サダコは子ザルじゃありません!!」

プンスカプンスカ!

サダコさんは怒りながら銃弾の雨の中をゆっくり前進してゆく。
ユミも後についてゆく。さっきから迷惑攻撃を球体がはじいて防いでくれている。

サダコさんが一人の兵士に近づき。何かをしようとする。

「ひい!」

兵士が怯えてしりもちをついた。

ひょい

サダコさんが兵士から自動小銃を取り上げる。ユミは黙ってみている。これから何をするのか解る。

メキメキメキ!!

銃を手の力で捻じ曲げた!サダコさんがバカぢからではないのはユミは知っている。よし!ユミも後に続こう。
二人で片っ端から銃を取り上げていく。目の前で目に向かって発砲されてもびくともしない。光で眼がくらむけど。もう恐怖に慣れてきた。
でも・・・制服が破れているような気が。何でですの?
ある兵士がナイフを取り出してお腹に突き刺してくる!

キン!

金属音とともにナイフが折れた。

「ば、化けもんだあ!!」
「悪魔だあ!」
「退却しろ!」

胸がドキドキする!これがスリルと興奮と言うものですねきっと。
戦車が徹甲弾に切り替えて目の前で発射したが、目の前でキーン!と言う金属音とともに弾かれる。激しい衝撃波が出来る。風が舞い、黒髪が乱れる。
ラムラさん、制服が破れちゃったよ。お肌が丸見えで下着もあらわになってしまいました。
思念でラムラさんに伝える。

「・・・・!!」

ラムラ・ラグさんが破れていない制服を着ながら何かを叫んでいますが、聴こえません。

軍隊は一人も死なずにけが人も出ずに逃げていったです。
死んでしまった死体さんは生き返らせることは出来ないのですね。
これは奇跡ではないのですか?

少ししてあたりが静まり返ってから、廃墟の中でラムラさんが言う。

「ええ」
「あなたたちは奇跡をおこす為にこの世界へ導かれたのです」
「異世界の住人だからできる技です」

「この世界を大崩壊から救うためにですよ」

ラムラさんの隣でインク・サプライさんが言う。無事だったようだ。

「死んでしまった魂は蘇らないぞ」
「時間を戻すことは出来ないからの~」

その後ろでリンネ・ラグさんが言う。
この旅って面白いです!ユミたちが英雄!?

「は!」
「鳥さんが居ない!」
「どっかへ落っことしてきたです!」

落日しないように、頭の上にざると一緒に乗せて飼っていた、鳥さんが・・・

「ユミさん」
「ほっぺたに血がついていますよ」

「あ」

サダコさんがユミの頬をペロってなめる。
サダコさんに同性愛の趣味があったなんて!!

「あはははは!!」
「ユミさん、それは違いますよ」

サプライさんが恥ずかしそうに顔を背けた。

「あ」

恥ずかしいですよ!!
ユミたち、制服がボロボロになってほとんど下着です。
これからユミたちどうなるんだろう?
不安がおムネをよぎるのですが・・・
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