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ワレハ工員ロボット・ナンバーツー

category - ショート小説
2014/ 08/ 19
                 
ピィーッ

ガタン・ガタタン・ガタタンッ・・・

ナンバーツー「今日も残業で帰りが遅くなってしまった」

電車通勤はストレスが溜まる・・・
毎日朝6時に起きて、仕事へ出かけて夜遅くに帰宅する毎日。
私、ナンバーツーはロボットであるのだが、市民権が与えられている。
表向きは人間様と同じ権利だと言うのだが、どう見ても差別が蔓延している。
遠くの大都市では、ロボットの権利平等を掲げて大規模なロボット達によるデモクラッシーが始まっている。

今月の工場の生産性向上標語は・・・

「ノルマ達成の為に、ひと鉄板脱ぎましょう!」

何故か知らないが、人間様はロボットの知能が幼児並みと信じきっている風潮がある。
確かにロボットたちの見た目は、ブリキのオモチャのように単純そうに見えるのだが。
実際は、哲学を語り理論を展開出来る程の知能は持っている。

今日も生産現場で新製品のブリーフィングが行われた時に人間様の上司たちは、
上司A「ラインの労働者達はロボット工がミスを繰り返すのは」
  「頭脳の設計段階から問題があるのでは?」
  「と言っている人間工員も居ます」
  「ロボット工員たちの各自、頭脳サーキットの図面を班長に提出するように義務付けるべきです」
と語っていた。

No.2「冗談じゃない、では人間様はミスを犯さない自信でもあるのだろうか?」
こんな反感を持ったとしても顔に、いや音声機関から漏らす訳にはいかない。

今は休憩中・・・

となりで油ドリンクを飲んでいるナンバースリーに囁きかける。
No.2「おい、ナンバースリー殿。あのA班・班長の人間様は自分の娘に、100万ゼゼコもするPCを買い与えたそうだぞ」
No.3「本当ですか?」
No.2「ああ、本当らしい」
  「人間様が使っているPCが本当は・・・」
  「ワレワレ、ロボット達が苦労して設計生産したロボ・アーム・メイドだと人間様は知らないらしい」
No.3「ナンバーツー殿」
  「我々ロボットの体格デザインが何故、旧時代のイメージのままなのかを知っていますか?」
No.2「知っています」
  「人間様に近い見た目にしてしまえば」
  「人間様に化けて潜り込み、集団決起して反乱を起こす」
No.3「ええ、人間様はそれを一番恐れています」
  「!」
  「隣の班の班長の人間様が、さっきからワレワレノ交信を傍受しています」
  「愛想笑いを浮かべましょう・・・」
No.2「あははは」
No.3「うふふふ」

ガッチャンコ!

No.4「お疲れ様ですう、ナンバーツー殿」
No.2「お疲れ、フォウちゃん」
No.4「ねえねえナンバーツー殿、あたし最近痩せたと思わない?」
No.2「何ですか?フォウちゃん。軽量化したんですか?」
No.4「そ~なのよぉ!」
  「近所にあるウエイト・コントロールショップで歩行機関の外装材質を、アルミ・カーボネートに交換してもらったのよぉ!」
No.2「でもゼゼコが高いでしょう?ロボ課税がかかるし」
No.4「大丈夫なの!ロボトミー・クレジットが使えたのよぅ!」

人間様ヒラ工員A「なんだい、ロボットは人間みたいに運動してダイエット出来無いのかい?」
No.3「人間様、それは言いすぎですよ・・・」
人間様ヒラ工員B「こりゃ驚いた!ロボットが気配りとはっ!」
人間様たち「あっはっはっはっはっ」

穏やかそうに見えて全然穏やかな会話じゃない。
さっさとグロ電に乗って帰宅しよう・・・


ガタン・ガタン・ガタタン・ガタタン・・・

昨日の帰りに会社からグロ電の駅までの商店街の歩道で、捨て猫がダンボールの中で鳴いて居たな。
2匹のまだ幼い子猫。茶色いトラジマ模様の猫と、ミケ猫。
2匹ともメス猫なのだろう。ホンモノ猫なのだろうな。
・・・・・・・
果たしてロボットが子供を産める時代は来るのだろうか?
いやいや、いまだにロボットの頭脳サーキットが人工知能だと気づいていない人間様が大半の、この人間社会では。
ただ生き延びることだけが、ロボットのロードなのだろう・・・

今日も1日の労働の賃金から引き落としされる。
金属疲労・電線摩耗・潤滑油の消耗・脳回路のエラー修復。
アパートに帰ってもすぐには休めないのが人間様の様にズボラな生命維持が出来無い辛さだな・・・

ガタタン・ガタタン・ガタン・ガタン・・・・


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